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生きていることは幸せか?いや死があるからそこ、死こそ希望。そう歌い続けてくれるバンドがある。名をsyrup16g。

高校三年生の時に、確か知り合いが好きと言っていて気になったバンドがある。

syrup16g。

しろっぷ?じゅうろくぐらむ?なんだそれは。でも、シロップという甘い響きになんだか惹かれ、レンタルCDショップでHELL-SEEというアルバムを借りた。赤と黒のなんだが仄暗さを感じるジャケットだった。

聴いてみてすこし驚いた。

不眠症

アイム劣勢

30代行くまで生きてんのか俺?

吐く血

届かないね 永遠にね

挨拶はヘローヘルこんにちは

バイトの面接で「君は辛いのか?」って、精一杯明るくしてるつもりですが?

自分でも明るい性格だと思ったことはないが、そこには、心地よい闇があった。救いようのない闇ではなく、なぜか暖かさすら感じる、そんな闇だった。五十嵐隆という男の存在を、その時初めて知った。

それからシロップのアルバムを借りては聴き、どんどん好きになっていった。

光があれば闇がある。生があればもちろん死がある。真逆に思える存在だが、どちらかが欠けてもこの世界は機能しない。どちらもバランスよく、なくてはならないのだ。高校三年生で知ったこのバンドだが、大人になるにつれ、より深く理解できる。

歌詞の一部だが、

辛いことばかりで心も枯れて、諦めるのにも慣れて、したいこともなくてする気もないなら、無理して生きてることもない。

一見冷たく感じるかもしれないが、わたしにはとても優しく感じる。無責任に、生きていればいいことあるよ!なんて歌われるより、よっぽどいい。こんなに心に真摯に向き合ってくれて、認めてくれる。辛いよな、うん。って、寄り添ってくれる。そんなバンドだとわたしは思う。

シロップは一度解散したが、数年後に復活を果たした。五十嵐隆、ナカハタダイキ、キタダマキ、という、以前からのメンバーで変わりなく復活をしてくれた。形あるものはいつか、壊れる。けれど、直すことだって、きっとできる。大袈裟かもしれないが、シロップはいつも人生について教えてくれる。その身をもってして。

わたしは31歳になった。高校三年生の時に出会ってから、ゆうに10年以上経った。高校を卒業して、進学して、就職して、働き続けて。様々なことが目まぐるしく変わっていった。震災もあって、たくさんのものも壊れ、失った。そんな中、syrup16gは、syrup16gの音楽は、いつも変わらずにそばにあってくれた。いつも、支え続けてくれた。そしていまも、新しいsyrup16gの音楽を、奏で続けてくれている。五十嵐さんが歌い続けることが、わたしにとって希望です。ありがとう。