漫画・映画・ドラマのレビューサイト

漫画読んだら1つ感想文書くのがモットー

読むたびにいつも感動することのできる漫画“今日、恋を始めます”に出てくる素敵な人物たちとそのストーリー

 とにかく椿京汰がかっこいいのです。外見は少女漫画の王道で、ほぼ毎日アルバイトをしているのに学校の試験は常に学年トップクラス、おまけに人望まであります。

 そんな完璧な京汰なのですが、実は心の奥には深い傷があります。小さい頃に母親が不倫して出ていき暴力を振るう父親の元に置き去りにされ(のちに誤解と判明)、信頼していて保健室の先生が同僚の先生と不倫している場面を目撃してしまったのです。

 そんな過去の体験から女性不振となってしまった京汰は、特定の女性と真剣に付き合うことをせず、いろいろな女性に声を掛けて、相手が自分を好きになったら捨てるというゲームを繰り返しています。そして、その新たなターゲットに選ばれたのが、この漫画の主人公、日比野つばきです。

 実際、この名前を見て、

「あ、結婚したら主人公はつばきつばきになるなー」と、誰もが思うと思います。例えばアメリカでは、スミス=スミスみたいな名前がありますが、日本ではかなり珍しい(おそらく無い)です。そして、そんな冗談めかしたものが、最終回の暗示になっているのがいいな、と読み返すたびに思います。

 そう、この漫画、読み返すのが面白いのです。

 この漫画は高校一年からスタートし、高校を卒業する3年間が中心で、最終巻の終わりに少しだけ未来の京汰とつばきの生活を描いてあります。つまり、二人が過ごす高校の3年間を見守るような、ある種、つばきの青春を追体験するような気持ちで読みことができるのです。

 スタートは、無理やりファーストキスを奪われるという最悪な展開、そこから最悪の印象だった京汰に恋をして、何度もつき離され、傷つけられても京汰を追いかけるつばき。二人の恋愛模様は、決して順風満帆ではなく、雨が降って滑って転んだり、雪が降ってゆく手を塞がれたりすることも多くあります。ですが、その後には太陽が顔を出す、そんなつばきの人生を、まるで自分のことのように体験することが出来るから、私はこの漫画が大好きです。

 また、大切な要因として、この漫画はただの恋愛漫画ではないのです。勿論、メインは二人の恋の行方なのですが、それに付随する形で、たくさんのことが絡んできます。例えば、成績のことや進路のこと、また友人のことなどです。そのあたり、京汰は何の問題もないのですが、つばきはもともと不器用な性格なこともあり、いろいろな問題に直面しては、苦しむのです。一番大きな問題は、将来の進路でしょうか。とにかくいい大学に行きたい、と考えていたつばきは、自分は本当にやりたいのは美容師だと気が付きます。けれどずっと予備校に通っていたこともあり、つばきの母はひどく反対します。それを押しのけるために行動し、はっきりと母親に意見する姿は、何度読んで勇気をもらうことの出来る場面です。

 何度読んでも感動が色あせない、『今日、恋を始めます』はそんな漫画です。