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サッカー界のスーパースター・ペレをケビン・デ・パウラが演じたジェフ・ジンバリスト監督の「ペレ 伝説の誕生」

映画「ペレ 伝説の誕生」は、2016年の7月8日に劇場公開されたジェフ・ジンバリストとマイケル・ジンバリストのふたりの共同監督によるスポーツドラマになっております。国際オリンピック委員会や世界中のファンから20世紀最高のアスリートと称えられている、ひとりのサッカープレイヤーの生きざまに迫っている作品になります。

1950年優勝確実と言われていた自国開催のFIFAワールドカップで、ブラジル代表はまさかの敗退に追い込まれてしまいました。母国チームの敗戦にショックを受けた父親のドンジーニョを見て、9歳の少年エドソン・ヂッコ・ナシメントは自分自身の力によってワールド杯の優勝トロフィー「ジュール・リメ」を勝ち取ることを決意しました。ユース大会での活躍がスカウトの目にとまって、ヂッコはプロチームへの入団が決まります。チームプレーと組織内の規律を重んじる監督と度々衝突しながらも、類いまれな身体能力と「ペレ」のニックネームによって次第に必要不可欠な存在として認められていきます。1958年スウェーデンのイエーテボリで開かれるサッカーワールドカップの代表メンバーに史上最年少で選出されて、予想外の活躍を披露して次々と強豪国を打ち負かしていきます。膝の怪我と見えないプレッシャーに悩まされながらも、50000人のスタジアムに詰めかけた観客と全世界で何100万人が見守っている決勝戦へ挑んでいきます。

W杯3度の優勝の偉業や通算得点数1283の前人未到の記録ばかりではなく、精神的な脆さや人間的に悩み苦しむ様子が映し出されていくところに共感出来ました。ケビン・デ・パウラが実在するサッカー選手を、迫真の演技とアクロバティックな動きで表現しているのが印象深かったです。

息子の成長していく姿と旅立ちに優しい眼差しを注いでいる、父親の役をミュージシャンとしても活躍しているセウ・ジョルジが演じているのも良かったです。

スラム街生まれ育ち路地裏で洗濯物を丸めて拵えたボールを裸足で蹴っていた多くの少年たちが、幼くして生命を落としたり貧しさ故に犯罪に加担してしまう残酷な現実には胸が痛みました。

16世紀の初めにさかのぼるほどの、ブラジルサッカーの独特なスタイルと歴史の奥深さが伝わってきました。ポルトガルから強制的に連行されて虐げられてきた人たちの、静かな怒りが息づいていることについて考えさせられました。南米の人たちの期待を一身に背負いながら、ヨーロッパを舞台に自分たちのアイデンティティーをボールにぶつけていく姿には胸を打たれました。

サッカーやスポーツに詳しい方たちだけではなく、ブラジルの歴史や文化に興味のある人にも見て頂きたいと思います。